1)ブロイラーへの籾米給与が鶏糞および行動に与える影響
(小原ら, 2014; Ohara et al., 2014)
籾米30%配合した飼料をブロイラーに給与し、鶏糞の質及び行動に及ぼす影響を調査した。鶏糞中の水分および窒素が減少し、敷料の改善に繋がることが明らかになった。籾米は、通常飼料に含まれる粉砕コーンより大粒のため、つつき行動が促進され活動性を高めることを仮定したが、その効果はなかった。しかし、慰安行動である羽繕い行動が籾米配合飼料給与区で多く発現し、新奇物への反応性も低かった。生理的ストレス指標のH/L比率も籾米給与区で有意に低かった。これらの結果から、籾米給与は行動学的・生理的にも福祉性を改善する可能性が示された。
2)OIE国際規約によるブロイラー生産農場の福祉的評価(小原ら, 2014)
世界動物保険機構(OIE)制定した国際規約に基づき、8戸のブロイラー生産農家の福祉性評価を行った。11ある評価指標のうち、接触性皮膚炎、行動(空間分布、開口呼吸と羽の拡散、砂遊び、摂食・飲水・採食)、水および餌の消費の記録、について問題があった。敷料の管理、適切な温度管理、給餌器・給水器設備の充実により福祉性の向上が期待できる。